2019年12月31日火曜日

【活動報告】お茶の安心安全と健康

お茶の安心安全と健康 
日時:2019年9月16日(月祝)13:00~15:00
場所:JA全農京都茶市場(京都府城陽市)
参加者:50名(会員・一般・支部役員合計)
講師:京都府農林水産技術センター農林センター茶業研究所 岡留和伸氏

お茶の安心安全と健康
1.お茶と農薬
残留農薬基準、農薬使用基準、
農薬取締法、農薬を使用する者が遵守すべき基準
2.お茶の病害虫
3.農薬をうまく使う
4.お茶の有機栽培
5.茶業研究所の最新研究

京都府支部では、日本茶は安心して飲めるということを消費者の方に正しく上手く伝えたいという声に応えるため、今回の講演会を企画。講師は病害虫防除の研究者である岡留氏にご依頼し、本研修会のために多数の資料をご準備いただきました。当日はパワーポイントで丁寧に説明していただきました。参加者は会員(京都、大阪、兵庫、奈良、岐阜、東京)、一般の方共に大変熱心に傾聴されていました。
さて、途中のティーブレイクでは、アンチエイジング効果があると報告されている高級碾茶の水出しを試飲、美味しいお菓子とともを楽しんでいただきました。緊張がほぐれ、ほっと一息ついていただけたのではないでしょうか?
また、宇治茶の強みである高品質被覆茶に含まれる機能性成分「ポリアミン(スペルミン等)」に関する研究にも取り組まれていることが紹介されました。
最後の質疑応答では、農薬が人間や環境に与える影響について様々な質問が出て、我々の身近な飲料であるお茶の安全性についての正確な知識を得ること、そしてそれを正しく伝えていく必要性を実感いたしました。
開催にあたり、講師の岡留様、JA全農京都茶市場の皆様のご厚意に心よりお礼申し上げます。 

2019年5月30日木曜日

【活動報告】宇治新茶2019イベント活動

茶煙永日香の如く、宇治茶の産地では新茶の香りが彼方此方から漂ってきています。令和元年の宇治新茶イベントにおいて、日本茶インストラクター協会京都府支部では、玉露の淹れ方教室、抹茶体験、抹茶アート教室、新茶呈茶等を通じ、例年以上の大勢の方に宇治茶の魅力をアピールしました。ご協力いただいたスタッフ皆様にお礼申し上げます。
★2019年5月2日  宇治茶会館・京都府茶業センターにて八十八夜茶摘みの集い ※主催:京都府茶業会議所



★2019年5月3,4,5日 平安神宮額殿にて宇治新茶奉納・呈茶に協力しました。新茶のおいしい淹れ方を紹介しながら、全国各地からの参拝者方々に春の味わいをお楽しみ頂きました。※主催:平安神宮、京都市茶業組合、京都府茶業会議所、京都府茶協同組合他

2019年3月14日木曜日

【活動報告】第15回通常総会・茶香服大会

2019年3月2日(土)日本茶インストラクター協会京都府支部の第15回通常総会、茶香服大会を、宇治茶会館3階大ホールにて開催しました。皆様のご協力のもと、滞りなく終了致しましたこと、心より感謝申し上げます。ご来賓、関係各位方々、ご遠方よりご参加下さった方々、あたたかい御支援をいただき、誠に有難うございました。
◆通常総会13:00~13:30
日本茶インストラクター協会京都府支部支部長仲井敏雄挨拶
来賓御祝辞
公益社団法人京都府茶業会議所会頭杉本貞雄様
京都府農林水産部農産部長綾城義治様,課長木村哲史様(代読))


議事進行 第15回通常総会資料に基づき以下が報告された
第1号議案 平成30年度事業報告、収支決算報告、監査報告
第2号議案 役員改選結果報告
第3号議案 平成31年度事業計画、収支予算

◆茶香服大会(3席 5種5煎) 13:40~16:30
京都府支部主催の茶香服大会は、今年で8回目を迎えました。「会員の部」および「来賓・一般の部」共に上位同点者がジャンケンで順位を決める場面が続出、ハイレベルな大会でした。参加者・スタッフ合わせて95名が成績如何にかかわらず、真剣に楽しく時間を共有出来たのではないかと思います。5回煎終了後には、低い温度でじっくり淹れた旨みたっぷりの宇治玉露と雛祭りにちなんだ八つ橋で暫し交流の場をもつことも出来ました。
表彰式では、会員の部1位~3位、一般の部1位~3位の方に各々豪華賞品と副賞(公社京都府茶業会議所会頭賞等)が授与されました。また、全員に新しい宇治茶ロゴ付きの朝顔湯呑を参加賞としてお持ち帰りいただきました。
京都府支部主催の主な事業は、宇治茶振興助成金事業(公社京都府茶業会議所)で実施していることから、同年度(昨年9月)に実施した研修会「茶香服の歴史と開催方法」で学ばれた会員を中心に、今回の茶香服大会の「配手」を募りました。皆様には実際に経験していただきながら、大会運営にご協力頂きましたことお礼申し上げます。

今年の資料茶
「花」京田辺玉露、「鳥」両丹玉露、「風」山城煎茶、「月」静岡煎茶、「客」鹿児島煎茶
今年の参加者・スタッフ
合計95名(会員36名/一般・来賓41名/配手6/支部役員12)





京都府支部恒例の事業となり、参加希望の方が毎年増え、開催者として役員一同大変嬉しく思っています。また来年のご参加を心よりお待ちしております。


2019年1月31日木曜日

【活動報告】講演会「宇治茶の歴史~伝説と史実」

日時 平成31120日(日)13時~15時 場所 宇治茶会館
講師 橋本素子氏(公益社団法人京都府茶業会議所理事)

宇治茶の中世は伝説の時代である、という先生の言葉で始まった講演会。
1.「深瀬三本木」伝説
伝説の成立過程
南北朝期以降の資料…栄西から譲られた茶を3本植えた
  1420年の資料…栄西から茶の種を渡された。本の茶は栂尾、非は宇治等の事
  1400年代後半の資料…栄西が宋から持ち帰って明恵に伝える。(明恵が茶を広める)
  1564年資料…栄西の記述が見られず、明恵が中国から持ち帰ったことになっている
しかし、資料として価値のある同時代資料は2通のみ。そこからわかるのは、下記2点。
明恵上人が知り合いにお茶のもてなしを約束している事
茶の実がまだ熟していないので、頃合いになったら差し上げる=高山寺には茶の木が    植えられていた事

闘茶「本非茶」の変遷
南北朝時代「異制庭訓往来」…「栂尾を以て第一となすなり。」
      宇治は次のグループ6箇所の中に入る
1383年資料…「栂尾・宇治茶などにてありとも~」と並列されている
      ただ、この時代、栂尾が上だという資料も残っている
15世紀後半(応仁の乱あたりから)資料…宇治と栂尾が両方トップである

2.「宇治七名園」伝説
伝説の成立
1564年「分類草人木」…足利義滿に仙人が茶を進上するという荒唐無稽な内容だが七名園の名が出てくる最初の資料
1612年資料…だいたい上記と同。「異説これあり」とも書かれている
同時代資料「朝日園」、「森園」の名は見られるが、七名園の他の名は表れていない

宇治大路氏の活躍
宇治大路氏は室町幕府の奉公衆でもあったが、槇島城の戦いにおいて足利方について敗北し、以後、歴史には出てこなくなる  →茶師として、上林氏などが台頭
宇治茶師たちは、五ケ庄、白川、一の坂などに点在していたが、だんだんと土地を買求め、宇治橋周辺(宇治郷)に集まってくるようになった 

3.明恵から宇治へ「駒の蹄影」伝説
伝説の成立
1652年の資料(明恵の時代のほぼ400年後)…「駒の足陰」と書かれている
1676年売茶翁「梅山種茶譜略」 異なった内容が書かれている
   明慧(明恵?)が中国に行った
   義滿が大内義弘に命じて、栂尾の茶を宇治に植えた 云々
        (宇治の製茶家が毎年新茶を栂尾にお供えするなどとも書かれている)
1748年の資料 1676年に書かれたものを引用(孫引き)
   ここで初めて「梅山の尾上の茶の木分植えて迹ぞ生べし駒の蹄影」と記載
「駒の蹄影」園のある五ケ庄は室町時代には高山寺・入江坊雑掌によって管理される
1436年には同じ高山寺内の閼伽井坊雑掌と揉め事があったことがわかる

4.まとめ
宇治茶はトップブランドゆえに伝説が重なりあう
ブランドの条件…オリジナリティー、ストーリー、ロイヤリティー、イミテーション
伝承はブランドが深化するにつれて作られていく

【お抹茶とお菓子で一服】と質疑応答、まとめ
橋本先生のお好きなお抹茶をめいめいで点てていただき、歓談の時間を設けました。
質問では、今まで話をしていた事が伝説なら、これからどのように説明したらよいのか
という意見も出ましたが、「~と言われています」という説明をするのは良いのでは
ないかということです定員50名を上回る方にご参加いただき、とても有意義な時間となりました。貴重な講演をいただきました橋本素子先生、参加者の皆様、開催にあたりご協力下さいました方々にお礼申し上げます。