2022年11月8日火曜日

【活動報告】研修会「茶産地見学イン近江政所」

茶産地見学in近江政所
日 時  令和4年1030日(日)
参加者  会員40名
関西有数紅葉の名所としても知られる永源寺を拝観。室町時代から600年続く茶産地、政所茶の茶畑を見学。日本六古窯の一つ信楽焼きの甲賀市。見どころ満載の秋の一日を過ごしました。新型コロナウイルス感染症対策については、当日体温チェックシートの提出、バス乗車前の検温、車内にアルコール消毒液の設置等、細心の注意を払いました。また、車内でのマスク着用も協力していただきました。
 ◆永源寺
永源寺は臨済宗・黄檗宗の各派15本山のひとつ、永源寺派の大本山で、全国に127の末寺を擁し、座禅研鑽と天下安全を祈願する古道場です。南北朝時代に近江守護職・佐々木六角氏頼が、高僧のほまれ高い寂室元光禅師を迎え伽藍を創立し開山しました。その後、弥天・松嶺・霊仲・越渓の四高足に受け継がれて栄えました。
越渓秀格禅師は、永源寺近くの政所はお茶の栽培に適しているとして、お茶を伝えて栽培を奨励しました。これが政所茶の始まりと言われています。
境内にはモミジやカエデが多く、秋は全山紅葉に包まれます。特に総門から山門にかけての参道は紅葉が頭上に広がり、深紅のトンネルとなります。
【まとめ】永源寺は、永源寺と奥永源寺の山村景観~豊かな水源をえる自然との調和~日本遺産『水と暮らしの文化遺産』に指定されていることを知りました。落ち着いたたたずまいは歴史を感じ、日ごろの雑踏を忘れることができる静けさに包まれていました。紅葉の最盛期には届きませんでしたが、モミジが色づき始め美しい景観を楽しむことができました。お天気に恵まれ、太陽光を通した紅葉は鮮やかさを増し、美しく輝いていました。青空と紅葉の素晴らしいグラデーションを楽しみました。
参加者からは、階段が多く大変でしたが、澄んだ空気の中良い運動にもなりました。癒されるなどの声がでていまいた。
◆政所茶
講義 ~政所の現在・過去・未来について~
講師:山形蓮氏(政所茶縁の会代表、政所茶生産振興会理事、茶縁むすび代表)
 <政所茶>琵琶湖に注ぐ愛知川の源流域である奥永源寺地域7集落で栽培しているお茶。起源は室町時代、永源寺第5世住職の越渓秀格禅師がこの地に植栽を始めたと伝えられています。現在の栽培面積は合わせて2.ha、65件で小規模な経営。高齢化が進んでいます。茶樹は在来種で病害虫に強く、冬の豪雪にもしなやかに耐えることができます。無農薬、無化学肥料栽培を長く続けられており、ススキや落ち葉等の有機物をふんだんに投入しています。自然環境を生かした昔ながらの茶畑日本景観は日本遺産に認定されています。
<山形蓮さん>滋賀県立大学を卒業後、大学の恩師に誘われ政所に足を踏み入れました。大学の後輩と共に茶畑を借り受け「政所茶レン茶―(チャレンジャー)」を立ち上げ、茶の栽培や販売に取り組みました。その後、地域おこし協力隊員として町内に移住し、政所の発展に向け、住民の方と一緒に活動されています。
【まとめ】道の駅「永源寺渓流の里」で昼食をとりました。お弁当はかやくご飯を中心に郷土料理満載でとても美味しかったです。政所の平番茶も一緒にいただきました。あっさりした味でお弁当との相性も抜群でした。道の駅は政所中学校を改装したユニークな施設で、教室の一室をお借りして講義を聞きました。
山形蓮さんから政所茶の復興に携わって来られた経過を熱く語っていただきました。地域おこし協力隊として政所町に移住されてから「政所茶緑の会」を結成され、週末農業を実践しながら女性目線で政所茶をPRしてこられました。また「政所茶生産振興会」発足に尽力され、地域の発展に貢献されています。
講義の後、茶畑を案内していただきました。肉厚で茶葉の丸い在来種です。実生から育てられ積雪にも耐える力強い茶樹でした。自然記念物に指定されている樹齢300年の大茶樹は四方に7メートルほど枝葉が伸び、その姿は圧巻でした。現在使われていない古い茶工場も見学し貴重な製茶機械など写真におさめました。
参加者から「政所茶の生産に奮闘されている山形蓮さんにやっとお会いできとても勉強になりました」「育児しながらの政所茶のPR活動に頑張っておられる山形蓮さんの姿にパワーいただきました」「思わず応援したくなりました」等の声があがりました。 
◆甲賀市信楽伝統産業会館(信楽焼きミュージアム)信楽焼きの生い立ちから、茶の湯文化と武家社会との関り、最盛期における信楽焼と人々との暮らしなど、時々の文化やその時代とともに発展してきた信楽焼の歴史を、映像や実物、再現ジオラマなど、分かりやすく展示解説しています。 
<信楽町>日本六古窯に数えられる焼物の産地。「信楽焼」と呼ばれる焼き物は、鎌倉時代に始まったといわれています。街には200以上の窯元が点在し、至るところで愛嬌あるたぬきの置物と出くわします。まちなかでは、登り窯や何気なく積まれた火鉢や立ちざや、道路に埋め込まれた陶板など、まちのあちらこちらに陶都・信楽の雰囲気を醸し出すたたずまいを見ることができます。
【まとめ】バスが到着し、降車後すぐに集合写真を撮りました。三か所目の信楽焼ミュージアムを自分のペースで見学し、その後、信楽町の自由散策でした。
ミュージアムには、お茶ができるまでの工程を、かわいい狸の焼き物で表現された展示がありました。皆さん興味深く見学されました。自由散策は、お目当ての茶器を購入する方、朝宮茶を探し求める方、窯元散策路を楽しむ方、カフェでゆっくりされる方など様々でした。皆さん限られた時間の中で思い思いに過ごされました。
【おわりに】天候に恵まれ、楽しい旅となりました。バスは渋滞に巻き込まれることなく、スケジュール通りに行程をこなすことができました。特に政所の茶畑では、山形さんへの質問が絶えることなく続き、名残惜しく思われた方が沢山おられたように思います。