2021年12月7日火曜日

【活動報告】茶産地見学イン奈良~大和茶を訪ねて

日時 令和3年11月21日(日) 参加者27(京都府支部21 他支部・一般6)

茶産地見学IN奈良  宇治茶ブランドでもある大和茶について学ぼうと茶筅師の里高山竹林園、月ヶ瀬生産者の茶畑見学、大和茶発祥伝承地の仏隆寺拝観など、特別な深まる秋の一日を過ごしていただきました。
COVID19感染防止対策について・バス車内換気装置により、車内の空気を常に交換。車内ではマスクを着用にご協力いただきました。乗車前に検温を実施させていただきました。車内にアルコール消毒液を設置、乗車前に使用していただきました。座席は2シートに1人                              

◆生駒市高山竹林園
高山竹林園がある高山地区は、奈良県の最北端に位置しており、地場産業である竹製品(茶筅・茶道具・編針)の生産が古くから行われて来ました。特に高山茶筅は、全国シェアの90%以上を占めていて、国の伝統的工芸品にも指定されています。その世界に誇れる茶筅の制作の技を、奈良県高山茶筅生産協同組合のご協力で身近に学ぶ事ができます。
【まとめ】
<高山竹林園>茶筅にも流派やお点前によっていろいろな形がありました。茶筅師の制作実演も見学しました。一人で一日5本しか作れないそうです。高山茶筅に触れていただくために自分で点てるスタイルの抹茶体験。流派や、お点前は気にせず庭園を見ながら楽しんでいただきました。



◆月ヶ瀬生産者 上久保淳一氏の茶畑見学と大和茶の歴史や魅力について
プロフィール  日本茶インストラクター、手もみ茶製造技術者(教師)、全国手もみ茶品評会一等受賞  奈良市月ヶ瀬桃香野で古くから栽培されてきた月ヶ瀬地区のお茶と地域資源でもある茶畑景観を残していきたいとの思いから高齢化等により放棄される茶畑を継承し、奈良の美味しいお茶を届けるため、日々農業に励んでおられます。また、手もみ技術と文化を伝える活動にも取り組んでおられ、第25回全国手もみ茶品評会において農林水産大臣賞を授与され、全国手もみ振興会から関西で初の「茶聖(ちゃせい)」の称号を贈られています。
【まとめ】
<月ヶ瀬生産者 上久保淳一氏の茶畑見学と大和茶の歴史や魅力>日本茶インストラクターや一般の方が普段なかなか伺えない生産家の体験談を交えてとても興味深いお話をしていただきました。貴重な手もみ茶を振舞っていただきました。また上久保氏自ら目の前で焼いてくださったたっぷり餡入りのよもぎ餅と香高いほうじ茶を楽しませていただきました。参加者からはもっと話を聞きたいと言う声や若手で熱心に頑張っておられる様子が伝わり応援したくなりました。という声もありました。参加者からいろいろな質問もありあっという間の時間でした。



◆仏隆寺
嘉祥3(850)年、空海の高弟堅恵によって創建、本尊は十一面観音菩薩立像で聖徳太子の作と伝わる。七堂伽藍の立派なお寺で室生山の宿坊または隠居寺として重要な役目があった。大和茶の発祥地でもあり、空海が唐から持ち帰ったとされる茶臼も残っている。重文の「堅恵大徳の石室の入定所廊」は非常に貴重。春の千年桜や秋の彼岸花の寺としても有名。
【まとめ】
<摩尼山 真言宗仏隆寺>大和茶の発祥地でもあり、空海が唐から持ち帰ったとされる茶臼も残っていて その茶臼には、麒麟と牡丹の柄がありました。堅恵が入唐のとき徳宗皇帝から茶臼と茶の種子を拝受し、山内に苔の園という茶園をつくりました。残念ながらその茶園を見学することはできませんでした。なかなか自分では行けないところに行けて良かった。貴重な茶臼を拝見することができたなどの声をいただきました。


令和4年度事業に行う予定の事業について広く会員・一般の方々から、「こんな研修会があれば参加したい」というご希望をお聞きするアンケートをさせて頂きました。

【活動報告】硬い水?軟らかい水?お茶が際立つ硬さの話

日時 令和3年10月31日(日)13:30~15:30 場所 Zoom

§第一部 水についての講演会
講師 坂本曉夫氏 日本茶インストラクター協会大阪府支部長 農学博士
演題 硬い水?軟らかい水?お茶が際立つ“硬さ”の話
水を考える上での、陸羽の茶経の言葉の引用に始まり、世界の水の分布の理由・水の硬度の計算方法など、初めて知ることが多く、市販の水のペットボトルのラベルの見方なども紹介され、あまりにも当たり前にある水の存在を改めて考えさせられた。
最後に『水の硬度は「お茶の葉」と「水」との仲を取り持つトリックスター』と教えて頂き、第二部の実証実験へ繋いで頂いた。
※トリックスターとは『お茶の味を台無しにするか、美味しくするか』どちらにも、なる可能性がある。ということの意味のようでした。



§第二部 実証実験
玉露・煎茶・紅茶(和紅茶)、三種のお茶を硬度の異なる水(軟水は蒸留水、硬水はコントレックス・水道水は宇治市の水道水)で淹れ、その違いを検証。講師による講評を頂いた。三種のお茶は、ともに硬水(コントレックス)で淹れたお茶は甘味が強調され、水色も三種類のお茶と、三種類の水ですべて異なって浸出されとても興味深い実証実験が出来た。講師の先生から、世界で様々な水があるようにお茶も存在する。それぞれの地でお茶を美味しく飲めるよう、人が務めてきたのではとのお話を頂いた。


(写真上から、玉露、煎茶、紅茶 各左から 水道水、軟水、硬水)

実証実験へのコメント

ライブで人気投票実施
【まとめ】
当たり前に存在する水を考える貴重な機会と、テキストだけでしか知ることのなかった三種類の水による、お茶の浸出具合の差を知る貴重な研修会となった。
研修会の形は、初めてZoomのよるLive配信を試みた。
通信環境の違いで音声が途切れたり、参加者の見たい画面を見て頂けないこともあった。京都府以外からの参加者(遠くは北海道や海外から)がいらっしゃり、Zoomならではの、広範な参加者がおられ、今後の研修会の新しい形や課題を感じられた。